銀の髪飾りと、疲れた男のダークハーレム

異世界で5年生き抜き旅を一度終えた男、山本・一徹・ティーチシーフ。
三十路過ぎて2、3年。スローライフを望んだ彼は、周囲に押される形で婚活に踏み切った。
なかなかうまくいかず婚活自体に辟易し始めたそのとき、ある仮面舞踏会に出席する。
会場で出会う3人の女性。
仮面は正体を隠す、だが心を隠すことはない。
すれ違いや誤解が幾多生まれていくさなか、やがて舞踏会は突然の襲撃に飲み込まれる。

「俺ぇ……場違ぁい」

確かに場違いかもしれない。
そもそも一徹に嫁を娶るつもりはない。そんな資格も、ないのかもしれない。
一徹を敬愛し、心酔する魔族の侍女。
一徹を執着し、承認欲求に餓えた公爵令嬢。
一徹を追い続け、憧憬の眼差しを送っていた女流騎士。
そうして、彼女たちは知ることになる。
《あの、山本・一徹・…続きを読む