洗われた文体が心地よく響く

余計なものを削ぎ落としたような練れた文体がたいへん心地よく、高齢者の粛々とした日常の描写と調和していて、心が洗われるようでした。
そしてラストのしかけに、パッと目が開かされ、読後ぽっかり暖かくなる。
なにもないけど、確かに「ある」。
たいへん佳い作品でした。