現代ドラマ(+ライトミステリ)

大学一年生の土橋桂介は、人生最後のモラトリアムと言われる大学生活をなんとなくやり過ごしていた。しかしそんな彼の運命は、同じく大学一年生の風岡香子と彼女の運んできた一件の事件によって急展開を見せることになる。

本作品はその名の通り、大学生の活躍するお話となっております。(タイトルが『風岡香子のモラトリアム』なので風岡さんが主人公なのかと思ったら、主人公は土橋桂介くんだったのはつっこんだ方が良いのでしょうか?)
緩やかに進んでいく日常パートと、ある事件に関わってからのスピード感の緩急が素晴らしく、とても引き込まれました。
日常パートでは東京に一人暮らしをする私立大学生の生活が子細に至るまで描写されており、資料としても興味深いです。
本作のメインともいえる事件の方のパートでは、犯人の特定、そして如何にして犯人を捕らえるかまでを現代の時流に即した解法で解いていくのが大学生らしくていいなと思いました。
登場人物の個性も強いので、シリーズ化したらさらに良くなっていく作品だと思います。
面白かったです!

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