他と一線を画す上質な学園ミステリー

前作「放課後対話篇2」から引き続きの拝読です。

月ノ下と星原の二人はあいかわらずの名コンビ。
そして、本作品では、明彦や日野崎といった二人を取り巻く仲間との絆がどんどん深まっていると感じます。
知識と切れの良さ、本質的に優しく、誰も傷つけないよう問題を解決していく姿など、本当に彼らは学生の鑑と言えます。

個人的に今回の章で一番気に入ったのは「心理テストと疑似相関」。
妹想いの日野崎の暴走振りが面白く、本作品の中では一番コミカルだと感じました。

主人公の月ノ下とヒロイン星原が前作よりほんの少しだけ距離を縮めるその微妙な塩梅、これはなかなか狙ってできる技ではないと思います。
作者様の並外れた感性と計画性、そして何より登場人物が自ら動いていることが生み出した成果だと確信しております。

素晴らしい作品に会えてとても嬉しかったです。
ありがとうございました!

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