重厚な戦闘描写と、精緻な心理描写に注目です!

主人公のシンさんが記憶を失った状態から、自分の正体や世界の状況を確かめていくお話なので、ストーリーに言及するとどうしてもネタバレを避けられません。なのでシンプルに見どころとなるシーンをお伝えしていきたいと思います。

バトルに関してはやはり、因縁まみれで底の見えない「急襲の雷獅子」を推したいところですが、まずは「見知らぬ天井」終盤でアイツが出してくるアレをブチのめす展開をお楽しみください。あのパワー偏重のゴツゴツしたデザイン、たまらんです。でも再戦するのは嫌だなぁ…。

そして日常パートには、ティセリアさんという絶対的ヒロインが君臨(というか降臨)しています。正体が何者かは別にして、印象としてはとにかく女神です。落ち着きのある優しい大人の女性であり、時には大胆かつ上品に距離を詰めてくる一方で、浮かれてはしゃぐ姿もまた可愛い…!

どうやら以前からの連れ合いだった様子の双子ちゃん・ホタルちゃん&ヒナギクちゃんにも言えることですが、記憶を失う前に信頼関係を築いていたっぽい描写が、こそばゆくもどかしいです。大人向けの作品なのでしょうが、彼女たち二人の存在が対象年齢の下限を広げてくれている気がします。

でもやっぱりハードな世界観と描写が冴えてますよね。「刹那の休息⑤」まで行くと特に、こういうの読みたい人多いだろうなというのが率直な所感です。面白いです。ぜひ御一読ください!

このレビューの作品

APOSTATE