終わりに
終わりに -「未来」を支える技術者としてー
ここまで読んでいただいて、皆さんに対する「工業高校」のイメージはどのようなものに変わっただろうか。
確かに今でも若さゆえに少しヤンチャをしてみたり、学業をおろそかにしてまで遊び倒すという生徒もいるのは事実だ。
工業高校以前に「学校」という教育機関はその学校の生徒が一人でも周囲に何かしらの不快感を負わせ、また迷惑行為を行うようなものなら、周囲の人達から苦情が入りその苦情自体が学校の評価に深く関わっていき、やがて負の評価として後世まで残っていく。
俺自身昔の工業高校の事を深く知らないが、やはり卒業生である担任やその他卒業生に昔の工業高校の事を聞くと、やはり荒れていたという事を聞く。
だからこそ工業高校に偏見のある人は、昔の情報を鵜呑みにして偏見を持ち続けているのかもしれない。
俺は言いたい。
昔を見ないで――今の
確かに他の高校より勉学に劣るだろう。
どれだけあがいても普通科高校の人達に普通教科の知識で劣るだろう。
だから決めつける。工業高校生は――馬鹿だと。
俺達を馬鹿にしている人達は見たことがあるだろうか?
工業高校三年間を費やし、どんな時でも工作機械とにらめっこし、己の加工精度を上げている工業高校生を。
高校生ものづくりコンテスト、若年者ものづくり競技大会、そして技能五輪。それらに出場し、他選手と切磋琢磨しあいながら己の技能を魅せている工業高校生を。
工業高校生が価値のあるものづくりを行い、その創造した製品が地域社会の一端として貢献しているところを。
俺自身機械系学科の生徒なので機械系の事しか言えないが、俺はこれらの工業高校生を見てこう思っている。
『手を油まみれにしながらも〝己のものづくり〟に励む工業高校生は宝石のように光り輝いている』と。
だからこそ偏見を持っている方に見てほしい。
俺たちの――ものづくりを。
俺達工業高校生の粗削りだが未来ある技術・技能を。
そして俺たちは在学中に身に着けた技術・技能で社会に貢献する。
俺たちは工業高校生はいわば「「未来」を支える技術者の卵」なのだ。
それは普通の高校生とは違う。
勉学を学ぶと同時に、企業の現場で即戦力として働けるような技術・技能を身に着ける見習い技術者なのだ。
そして俺たちは『技術大国』である日本の第二次産業を支えていく技術者の一人となっていくのだ。
これを見た中学生も是非「工業高校」という学校を進路先の一つに入れてみてほしい。君たちも将来的に日本を支える技術者になるかもしれないからだ。
最後に。
様々な現場を技術・技能で支え、ものづくりに貢献していく。そんな技術者に俺達はなっていく。
だからこそ見ていてほしい。
俺達が日本を創る技術者になっていくところを。
いつか俺達が「未来」を支える技術者として成長していく姿を。
だからこそ俺達はそのような技術者に憧れを持ち、日々技能習得に励んでいくのだ。
現役工業高校生(機械系学科)が工業高校を語ってみた 二魚 煙 @taisakun
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