思春期の軽薄さとは潔癖さの裏返しなのかもしれません。
- ★★★ Excellent!!!
私はたまたま「眠る少女」「拳銃と月曜日のフラグメント」「南風に背中を押されて触れる」という順番の後で、この作品を読みました。
「南風に背中を押されて触れる」は
まだ連載中です。
登場人物の今と過去を知る事が出来て、
私が読んだ順番は偶然ながらも良かったなぁと思っています。
(どの作品から読んでも大丈夫な小説になっています)
思春期特有の何でもない風に装いながらも、
実は言葉たった1つで傷ついてしまう危うい繊細さ。まるで世界はそこにしかない様な閉塞感を
思い出した気がします。
そこに絡んでくる性と生。
主人公の行人は軽薄な様で、
実は性に対して性欲だけではなく
自分をも変えてくれる何か期待しているのです。
「セックスは肯定してもらえるもの」
と思っているところからも
軽薄さは表面上のもので、むしろ潔癖さを感じました。
ただ、本当に好きな子をその対象に出来ないというか、しないところが、
この話の複雑なところで……。
1番重要なところではないかと単純な私は思っています。
ここから「南風に背中を押されて触れる」
へと、時は飛ぶのですが、
そちらはそちらで色々な事柄が枝分かれの様に
なっていて……。
どの作品を先に読むかで、
印象が変わるかもしれません。
ただ、どれから読むにしても、
思春期の青さにどっぷりハマりたい方には
こちらをオススメします。
そして、こちらを読んだら
「南風に背中を押されて触れる」も読んでしまうことでしょう。
逆もまた然りなのです(笑)
他の小説も……。