10

 しばらく花を探したが見つかる気配は無かった。


 秘密の場所の木の下で二人息を切らしながら花火を眺める。


 最後の花の言動。二人は疑問に思っていたが大して気にはしていなかった。

 元々少し変わった子だったからだろう。


 息が整い穂乃花は口を開いた。


「卓哉」

「ん?」


 花火の音が響きまた静寂が訪れ暗くなる。


「好き」


 暗い中すぐ隣にいた卓哉と目が合う。


「俺も好きだ」


 

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