逆境の中を進んできた主人公は、どんな未来を選ぶのか

主人公のリディアは、受動的かつ被虐的な思考の下で動く傾向にあります。
気弱なわけではないのですけども、その生い立ち故か、酷いことをされても「自分がこうされるのは仕方のないこと」「自分が耐えれば他は丸く収まるからこれで良い」と考えがちです。
そしてストーリーラインも、彼女を酷い目に遭わせた人々へ復讐してすっきりハッピーエンド! ざまぁ達成! という流れではありません。
最終話まで見届けた今、結果的にそうなった、とも思いません。

あくまで私個人の特殊な感想でしかありませんが、この作品はそういった明快なものを期待して読むのではなく、リディアという一人の女性の生き方や、これから先の未来へ続く選択を見守る気持ちで読む物語なのかなと思いました。

恋愛(逆ハー&溺愛)要素、お仕事(学園モノ)要素、魔法を使った戦闘要素など、多数の属性が組み合わされており、またそれら一つ一つが緻密に練り込まれているため、どれか一つでも刺さる要素があれば最後まで読み進められるでしょう。
それだけの筆力とエネルギーがあります。
重厚なハイファンタジーを読みたい方におすすめです。

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