1章を読み終えた時点でのレビューです。
「天に浮かぶ理想郷」とも謳われる美しい大陸で、人徳を高めるべく日々修練に明け暮れる修行僧たち。
主人公の楼夷亘羅(るいこうら)とヒロインの伊舎那(いざな)もまた、立派な僧となるべく僧院で学問や修練に励む少年・少女です。
なんとも高尚な雰囲気のある物語ですが、その一方、大陸には身分制度が制定されており、虐げられる人や暗い気持ちを抱えて足掻く人も存在しています。
元は人々の安寧を目指して作られたはずの制度によって格差が生まれ、その歴史が根付いていることに、俗世の人間らしい現実味を感じました。
荘厳な舞台で繰り広げられる人間ドラマ、そのバランスが絶妙です。
そんな中で、タイトルにもある備忘録の存在が、少年・少女たちの未来にどう影響してくるのか。
この先も楽しみです。