前回よりもコミカルに振り切ったお話があって読みやすく、かつ1作目を読んでないとわからないなんてこともないので、こちらから読み始めてもOK! でも、個人的には1作目も読んでほしいなーと思います。
前作でもそうでしたが、月ノ下くんのモゴモゴしたところや、それに対する星原さんの苦労をニヤニヤしつつハラハラしつつ楽しめます。かつ日常ミステリとしても頭を使って読めるので、一粒で二度美味しい!
今回は後半でちょっと流れが変わって、先に出したようにコミカルに振り切ったお話が出てきます。普段は自己犠牲も厭わない月ノ下くんが、困って慌てふためくところは読んでて楽しい! 彼には申し訳ないですが、この方向で酷い目にあっているのはニヤニヤ通り越してニヨニヨします。でもやっぱり月ノ下くんだなぁという形で解決に持っていってしまうのは流石というべきか。あとお父さん、隠すところ別にしとこう!
そして、そこから始まるシリアスなラストパート。
ネタバレになるので詳しくは言えないのですが、この最終章の登場人物の行動は個人的に思うところがあり、大変印象に残りました。また、月ノ下くんや星原さんの今までにない一面が見れたのもとても良かったです。このあたりは前作を読んでいた方が「おおー」となると思います。シリーズ読者の特権です。
カクヨムのミステリジャンル全般がレベル高いと言うか、こんな名作が埋もれてるの!? とびっくりすることがあるのですが、こちらのシリーズはその中でもとくに面白いです。まだ2作目までしか読んでないんですけど、少なくとも既読の2作は本当にお勧めできます。時間を忘れて読めます。自分の場合、拙著で大幅な加筆かつ減筆修正をする際に現実逃避の先として選んでしまったため、見事に半日が過ぎていきました。
あ、このレビューを書いているうちに番外編「異邦からの正義」も読んでしまった。これも良かった! 是非読んでほしい!
本作は前作「放課後対話篇」の続編です。
前作以上に登場人物たちの魅力やユーモアが増し、何度も笑ったり、一緒にミステリーについて考えたり、感動しました。
そして、ミステリーの要素も緻密な構成と巧みな文章からなり読み応えが抜群です!!作者様のプロットの構成力、伏線の張り方はプロ級です!!
どの物語においても、核となるテーマが決められており、一緒にテーマについて深く考える機会となりました。
登場人物たち、それぞれの考え方や、謎への向き合い方が真摯でとても好感が持てます。さらに登場人物たちのファンになりました。
カクヨム登録者の皆様にぜひ読んでほしい作品です!!
本作は『放課後対話篇』の続編にあたります。
前作に引き続き、本作も章ごとに核となるテーマが存在しており、それを元に物語は進行していきます。
緻密な構成、巧みな筆致、ところどころに盛り込まれるコミカルな演出、読み手のツボを押さえた個性的なキャラクターたち、どれをとっても掛け値なしに一級品です。
前作は主人公である月ノ下君とヒロインの星原さん、その周囲の関係性にスポットを当てた事件や事柄がメインでした。
比べて、本作はそれらの登場人物の性格や個性を掘り下げた内容になっています。
もちろんミステリー要素はありますが、前作に比べてユーモラスな回が多い印象です。
ただし、最終章は再び謎解き要素全開です。
おそらくそこまで読み進めた方は間違いなくこの作品の虜になっているかと思われます。
私自身、ミステリー作品は商業用のものも多数読んできましたが、この作品はそれらと比較しても勝るとも劣らない出来栄えだと思っています。
本当にこの作者さんは物語作りが上手です。
もうガッチリ、ハートをつかまれておりまして、第二弾も期待通りに堪能させていただきました。
基本は学園ミステリーということになるのでしょうか。
かといって殺人事件は起こりませんし、凶悪な犯人も出てきません。
起こるのは日常からあふれたような、でもやっばり不可解な事件です。
冷静でちょっと自虐的な月ノ下くん、聡明だけどなんかズレている星原さんのコンビがその事件を解決していきます。
面白いのはその推理パートなんですが、この肝になるのが俗説のような、哲学的なような、心理的なような、ちょっと変わった切り口がヒントになっています。
このちょっと複雑、でも自分でもちょっと考えてみたくなるテーマに向き合うのがなんとも面白いのです。
そして明かされる謎解きのカタルシスもバッチリです。
そうそう、それと学園ミステリーならではの、この月ノ下×星原コンビの軽妙なやり取り。
前作で想いが通じたハズなのに、ちっとも距離が縮まっていない二人の不思議な距離感は甘酸っぱい笑いがたっぷりです。
この二人のコントのようなパートが、ミステリーと両輪になって物語を盛り上げています。
とにかく不思議な深みと余韻を感じさせるストーリーと、軽妙なキャラクターの会話。読みやすさはもちろんのこと、コメディー感覚もバッチリで、次々と読みたくなる吸引力があります。
ちなみにこのシリーズ、中編が集まって一つの作品になっているので、どこから読んでも楽しめます。
ですがもちろん、第一部から読んだ方が面白いに決まっています。
ぜひぜひ読んでみてください!
放課後対話篇シリーズ2。
本作も5つの章(短編)から構成されています。
主人公(月ノ下君)がヒロイン(星原さん)の力を借りて、学内外の事件の問題を解決していくという設定は、1と同様ですが、2ではふたりの距離感がグッと近くなった気がします。
クラスメイトを含め、二人の会話がとても軽快で面白い。特に『カセットテープと余桃之罪』では、クスクスと笑えること間違いなし。
『魔女のロッカーと欠落の美』は読み応えがありました。
主人公とヒロインの淡い恋心も見え隠れし、ドキドキもプラスされています。
作者様の筆力もですが、内容も読者を飽きさせない展開となっています。
是非、シリーズ1からお楽しみ下さい。
一作目放課後対話篇の続編、放課後対話篇2を読了しました。今回も前作と同じように五つの物語で展開されており、二作目は月ノ下君と星原さんの違った一面が見れ、また一作目から引き続き登場する人物達に凄く愛着が湧きました。きっと友達になれそうです笑
私は今回五つの物語の中で〈カセットテープと余桃之罪〉が印象に残りました。星原さんが持ってきたカセットテープから始まるコメディで、クラスメイト視点で話が展開され、とにかく笑かしてきます。最近私生活が忙しく、悲しい事も多々ありましたがこの作品を読んでいる時は現実を忘れさせてくれました。
何か読みたいと探してるあなた、ぜひ読んでみてはいかがですか(๑•̀ㅂ•́)✧
まだ続編もあるということなので、楽しみです。
お人好しな性格の主人公・月ノ下くんが学内外の事件に巻き込まれ、ヒロインの星原さんの力を借りつつ2人で問題を解決していく展開は、(基本的には)前作と同じです。
短編集という形もあって読みやすく、一つ一つのお話しに面白さ+考えさせられるテーマが設けられています。作品全体を通して読み終わった時には、読む前の自分と少しだけ違った景色が見えるようになるような稀有なweb小説です。
前作から引き続き、どの短編も極めて完成度が高く、そのままノーチェックで書籍化できそうなレベルだと思います。
その中でも特に私が好きなのは『魔女のロッカーと欠落の美』です。これはミステリとしてとても優れています。無数の紙片が中に貼りつけられていた封印された魔女のロッカーという"興味深い謎"に始まり、"的確なヒント"から"独創的な着想"、"論理的な推理"へと繋がり、そこから"意外な犯人"、そして"話のオチ"までの全ての要素が完璧で、これにはただただ脱帽しました。
読み終わった後の爽快感と、少しビターな味付けのテーマが癖になります。
続きもあるようなので、早く読みたいです。
この小説は前作『放課後対話篇』の続編に当たりますので、読んでない方は先ず前作から読まれることをお薦めします。
どんな話かをものすごくザックリ説明すると、主人公にトラブルが降りかかり、ヒロインが問題解決に役立ちそうな雑学を披露します。
その雑学や知識は一つ一つがとても考えさせられる内容です。
現実世界の問題も、この知識があるだけでスムーズに解決できそうな気分になります。
章ごとにテーマというかキーワードが決まっていてメリハリがあります。
身近な悩みやありそうなトラブルがリアルに迫ってくる様を描く筆の力はお見事!
ぜひ皆様に読んでいただきたい物語です。