これは萌え系ラノベの皮を被った食育小説です。



主人公は極限まで甘やかされて育った養殖エルフの女の子。
蝶よ花よと育てられ、何の苦労もなく生きてきた彼女ですが、
お約束の異世界転生をしてしまいます。

だがしかしっ!

彼女を待ち受けていたのは、自給自足の極限サバイバル生活。
チートどころか、今日食べるものさえもありません。

一時的に彼女を保護してくれた壮年の男(注意・天狗装備)も、
甘やかしてくれるどころか「養殖豚」などと暴言を吐く始末で……。

とにかく難易度EXTRA HARDのマタギ生活は前途多難です。
深い深い山の中で、食べ物を探さなくては生きていけないのですから。

そして自らが生きることは、つまり他者のいのちを奪うこと。

食べることの責任を、生きることの重さを、
思わず考えさせられる男性(注意・天狗装備)の言葉。

萌え萌えコメディタッチのあちらこちらで、
食育小説としてのこの作品の素晴らしさを垣間見ることが出来ます。
私はこの作品がいつか書籍化しましたら、
是非とも娘に読ませてあげたいなと思いました。

ふふ、色々と語ってしまいましたが、
どうかかるーい気持ちで読んでください。

普段何気なく生きている私たちのいのちが、
その裏側では決してかるくないものたちに支えられていることに、
きっと気付くことが出来ると思います!

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