「熊本くんの本棚」に続き読ませていただきました。ヒリヒリするような文章は相変わらず、ふとした瞬間に抉られます。オールスター物が大好物なので、後半はわくわくしながら読みました。世界の構築の仕方を見習いたいくらいです。そしてやっぱり岡山のあの女が好きです。
わたしはキタハラさんの作品には「心に穴が空いたような喪失感、欠落感」があると思っているのですが、今作も類に漏れず、いい意味で読者が置き去りにされていきました。物語は続いているのに、わたしたちは手を…続きを読む
なんでもない、淡々としたルームシェアの話なのかなと思ったけど、そこはキタハラさんの作品でした。日常が進みつつもそこはかとなく漂う、不穏な気配。ちらちらと姿をみせ、やはり山場は物語が収束する後半に…続きを読む
タイトルに惹かれて読みはじめて、そこから一気読みしました。登場人物たちが、みな自ら積み重ねてきた地層の上で息をしてもがいている様子が、ありありと浮かぶような作品。手に入らないものに手を伸ばし…続きを読む
演劇青年だった英二と小説家志望のさかえ、ふたりが暮らす部屋。干支ひとまわり分の年の差のあるふたりは大学の同窓生。前作の「熊本くんの本棚」とすごく良く似ている。でも「キスをしても一人」の方…続きを読む
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