読む酒。『飲』酒でないのでこの後運転もできる合法的優越感に酔え。

『酔う』、そして『素面』。
化かし合うかのように境目を曖昧に、上手に、卑怯に使い分ける小気味よい会話で展開されている。

これは酔っているかのような素面。
これは素面に見せかけた酔い、みたいな。
アウト寄りのセーフみたいなところを責め続ける会話。
読んだ私の心中がセウト、と叫ぶ気持ちをわかってほしい。
この中に審判が居たらビデオ判定は必須だし、チャレンジ制度でインかアウトを確認したくなる。
そんな感じ。

この2つの状態を限りなく細分化したものと思った
だが、本来はきっとアナログでラジオのチューニングをするように境目などないのかもしれない。

素面と酩酊の境がわからなくなるから。
この作品を読んだら、きっと貴方は酔っている。

その他のおすすめレビュー

小日向葵さんの他のおすすめレビュー21