酒と喧嘩と女と煙草(含有率50%)

 玉箒(たまばはき)とは酒の異名のことである。酒による気分高揚を、憂いを掃くとなぞらえ、玉箒は酒を意味する言葉ともなった。

 登場人物の殆どが飲酒しているか、酒そのものかのどちらかである。酒そのものと言われてもわからないかもしれないが、酒そのものなのだから仕方がない。
 そんな彼らは玉箒とも呼ばれる酒を原因としてある事態に巻き込まれる。
 素直に酒を愛し楽しんでいた彼らは、その憂いを如何にして解決したのか。人が人たる所以はなんなのかは、ある種の解決を見ない難題の一つであるが、それに対する一つの回答としてこの物語は決着を見る。

 人と酒。往々にしてそれら2つを語るときは相互の関係性から語られるものであるが、擬人化というプロセスを経ることにより、この物語に於いてはマージナルなものとなった。人と酒を分かつもの。それが最後に示された答えである。

 人にとっての本当の玉箒。
 月並みで、手垢が付くほど語られてきたそれは、しかしこの物語でもそうであるように、今もなお人を酔わせている。


 ところで粘膜吸収って結構やべー筈なんだけどそれを鑑みると主人公めちゃめちゃ酒豪やんけ!

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酒は憂いの玉箒