人生のピンポイントの追憶。

ただのクラスメイトにこんなことを頼めはしない。
メロンゼリーの前で迷っていたのを見られた。
それがきっかけで、頼む理由になったとしても。

その場で軽々しいことなど何も言えなかったから
後日、果物を持ってお見舞いに言った彼女は優しい女の子だ。

そんな彼女にだけ彼の父が話してくれた気持ちを推し量ってしまう。
家族とは、本当は互いの気持ちを尊重したくて
それでも出来うる限り長く一緒にいたいと我儘言うものだから。

出会った人すべてが、人生の重要人物になる訳じゃない。
でも、ほんの少し近寄っただけの人がずっと記憶に残ることがあって
誰にも、そんな風に引っかかる出来事があると思う。

(ただの)が枕についたクラスメイトのほんの少しの欠片。
でも、突き刺さる程に印象に残ったかけがえのない思い出。

「ただのクラスメイト」のタイトルの奥には
それだけじゃないことがあったと秘密を共有する姿がある。

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