誰かであった筈の男は、ただ己の心にすべてを賭した。

呪術と、ロボ、そして東京。
その三つを余すことなく描き上げた、現代ロボット伝奇の名作が誕生しました。
作品全体に漂う、薄暗い雰囲気。最初から既に悲劇的結末が約束されたような空気をかもしつつ、物語は疾走感も高く駆け抜けていきます。

物語の終わりは、あるいは悲劇的結末なのかもしれません。
しかし、男の視点から見れば間違いなくやり遂げて勝ち取った結末なのです。
悲しくも、誇らしくも、美しくもある。

ロボットものだから、と。
読まずにいるのはもったいない作品です。
大切なものの為に、文字通りすべてを賭した男の姿、ぜひ。

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