現代呪術戦の看板に偽りなし……!

古式ゆかしく呪術とは、すなわち呪い、祓い、身を雪ぎ、穢すという行為によって成り立つものだ。

わかりやすく言えば、藁人形と釘がなければ丑の刻参りはできないということである。
呪術には手順が必要で、それがときに儀式と呼ばれるものである。

この作品はそれを、見事に現代の形に昇華している。
式神を放つには銃弾を射ればいいというのは、これ以上なくわかりやす縁の結び方だ。

何より見どころなのは、木製の巨大ロボット──槐兵だ。
軽量級でありながら、その迫力はすさまじく、作者の筆力もあって脳内ではとんでもない戦闘シーンが再現される。


加えて、作品のテーマの一つに樹というものがある。
樹木とは歳を経るものだ。
歳を経たものにはおのずと神が宿るのがこの国の考え方であり、藁人形などの形代も、もとをただせば木製である。
そうだ、本来死者の国を、我々はこう呼んだではないか。すなわち──根の国と。


現代において呪術を昇華させ、その上で巨大ロボ戦闘までやってのける。

まさに、現代呪術戦の看板に偽りなしの作品である!

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