幕間小話「救いの糸」

 あたしは赤眼のセンリ。芸を売って生計たつきに変える芸人さ。

 今朝はふところ空きの腹空きに川で釣りをしている。鮎の一匹でも釣れれば御の字だが、厄介って奴はこういう時に友釣れすると決まってやがる。


 ほれ、人の手首が釣れやがった。


 地獄に垂れた救いの糸を掴んだ手のように、ズルズルと手首が手首を掴んで釣れてくるから、途中で糸がぷつりと切れた。


 後に残るは針なし糸が宙ぷらり。


 おいおい、あたしの空き腹は、誰が救ってくれるんだい。

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赤眼のセンリ ラーさん @rasan02783643

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