誰かが登って降りた道を登って降りて物語が続いていくのです

世界遺産にも登録された熊野古道を擁する和歌山県のとある高校を舞台に、「山岳競技」に挑む女の子達のお話です。

山登りに点数を付けて競うという山岳競技、いったい何を、どんな風に採点するのだろうと思って読み始めました。主人公たちの参加する「縦走競技」部門では、決められたコースの踏破に加え、パーティの統制・装備品・テント設営・料理・山に関する知識のペーパーテストに天気図の作成などなどを競うとの事です。

そんな縦走競技に、ゼロから挑戦する主人公たち。ひとつひとつの課題に、手探りながらも前向きに挑んでいく姿がとても好ましいです。ああ、部活との距離感ってこんな感じだったなあ、と何か懐かしさを覚えました。

作中で紹介される熊野の自然や歴史の紹介も楽しく、さらにはお話の時代設定(2003年?)当時のいろいろな話題もくすりとさせられます。

山や自然、そして、部活に頑張りすぎないけどやっぱり頑張る少女たちのお話が好きな方であれば、ぜひ。

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