縦走ガールズ

作者 アルキメイトツカサ

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★★★ Excellent!!!

世界遺産にも登録された熊野古道を擁する和歌山県のとある高校を舞台に、「山岳競技」に挑む女の子達のお話です。

山登りに点数を付けて競うという山岳競技、いったい何を、どんな風に採点するのだろうと思って読み始めました。主人公たちの参加する「縦走競技」部門では、決められたコースの踏破に加え、パーティの統制・装備品・テント設営・料理・山に関する知識のペーパーテストに天気図の作成などなどを競うとの事です。

そんな縦走競技に、ゼロから挑戦する主人公たち。ひとつひとつの課題に、手探りながらも前向きに挑んでいく姿がとても好ましいです。ああ、部活との距離感ってこんな感じだったなあ、と何か懐かしさを覚えました。

作中で紹介される熊野の自然や歴史の紹介も楽しく、さらにはお話の時代設定(2003年?)当時のいろいろな話題もくすりとさせられます。

山や自然、そして、部活に頑張りすぎないけどやっぱり頑張る少女たちのお話が好きな方であれば、ぜひ。

★★★ Excellent!!!

九州の某進学校で山岳部だった、という友達がいる。
課題が膨大な進学校ゆえ、体力勝負では勝てないが、
そのぶんは読図や天気図作成、行動計画書作成など、
データを使う分野で点数を稼いで上位に居たらしい。

友達からそんな話を聞いた直後に本作が公開された。
そりゃあ飛び付くよね、と。しかも2003年ですか。
作者さんは同世代でしょう。ゲーム事情が懐かしい。
パソコンやネットやケータイを巡る環境も懐かしい。

和歌山県の山々を舞台に青春する、山岳部女子4人。
主人公はゲーム少女の絵里。本気の登山は初めてだ。
スポ根チックに頑張りつつ、ゆるゆる要素もあって、
これアニメで見てみたいよなあ、と想像してしまう。

山の自然の美しさや、そこにまつわる伝説と歴史。
和歌山県のご当地小説だからこその魅力の数々が、
親しみやすい登場人物を通して語られ、描かれる。
彼女たちは大会でどんなドラマを見せてくれるのか。

そして「異伝」として収録されているのは、8年後。
2011年8月末に紀伊半島を襲った台風と水害のこと。
多くのかけがえのないものが喪われたそのときに、
絵里が感じたこと、起こした行動、出会った人々。

故郷、熊野の山々を愛する想いと山岳部の思い出が、
ユーモアや涙を交えた青春ドラマを形作っていく。
熱くて爽やかな少女たちの物語。
完結お疲れさまでした。

★★ Very Good!!

和歌山県の高校生が山岳競技にチャレンジする物語。部活ものとしての競技に関する知識、ご当地小説としての地域にまつわる知識が散りばめられており、へぇ~と膝を打ちながら読み進められました。ちなみに作中の時代設定が2003年であるようで、当時流行っていたモノやコトが随所に登場してきます。ベッカムでもロナウドでもトッティでもなくエトーの名前が出てくるとは渋い……!