細い細い糸を編んだレースのようでした。

金魚の、婿として生きてきた少女が、敗戦をきっかけに離縁し、ひとに嫁ぐことになる。
琴子さんの幾重にも織り重ねられるような文章によって、儚くてうつくしく、幻想的なものがたりでした。言葉で編まれたベールは花嫁への贈り物のようで。わたしはあの、花嫁行列の場面がとても好きでした。
一方通行のようだった想いが、伝わっていたのが、嬉しくて、泣きそうになってしまいました。

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