華燭金魚
篠崎琴子
序
あの日から、
けれども昭和二十一年、卯月も終わろうかという夜半、
戦が終われど帰り来ず、音信ひとつも寄越さなんだ
しからば、家付きの末娘……
さりとて、世間は焼け野原。
この世に名残もありはせず、戦もろとも
しからば
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