少女は、世界の全てを見ていた

少女が生活するサナトリウム。
そこは、先生と看護師と、そして少女だけの世界。生きることも死ぬことも、身近にある少女は、サナトリウムのなかで、世界の全てを見ていたのではないかとおもいます。

治療は病気に追いつかない、というフレーズのように、言葉の選び方が綺麗で繊細だとおもいました。少女のサナトリウム。少女に突きつけられるのは死という終わりなのに、とても澄んだ空気の物語でした。