世界の謎を解き明かせ!

病院の待合室。退屈なニュース番組をぼんやりと観ていた主人公。
帰宅していいですよ。そう声をかけられて腰を上げた瞬間、見知らぬ場所に立っていた。

これって異世界転生? 俺って勇者なの? それとも全部、夢ってか?

分からないことだらけなのに、魔物に襲われるわ、瞬間移動はするわ、あとお金がなくて恥かくわで踏んだり蹴ったりのご様子。親切にしてくれる仲間に出会えたものの、謎は深まるばかりで……

ユーモアセンスがありながら、どこか冷めた雰囲気の主人公。ごく一般的な世界から勇者伝説のある世界に移動したように見えるが、実はこの主人公の住む世界もなにやら複雑な事情がありそうなのだ。

物語の進展に伴って、主人公側の世界情報も分かってくるのだが、とにかく謎、謎、謎。そもそも何が起こっているのかすら、不確かだ。

この作品、作者からの挑戦状でもある。さて、読者は気づくことが出来るだろうか。

鼻の穴と耳の穴にお箸なんか突っ込んで踊っている作者から、箸を引っこ抜いて叩きつけてやろう。

「これって、○○だよね」

なんてコメントを書いて焦らせてやろうじゃないか。はっはっはっ。


って、そんなひねくれた読み方をしなくても十分面白い作品です。捻りのある冒険ファンタジーが読みたい人、おすすめですよ。

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