タイトルが気にかかって,とりあえず最初は10話くらい読んでみようかと思った。しかしその10話だけでストーリーに惹き込まれ,結果的に一気に読み通してしまった。
異世界転生ものといえば,何の変哲もない非常に没個性的な男性主人公が,中世ヨーロッパ風の異世界に飛ばされるというストーリーが王道であるかと思われる。
この小説は,異世界やキャラクター設定は当然のように優れている。しかしながら,物語が進むにつれて,主人公の元いた世界のほうがそれ以上に特殊な環境であることに気づかざるを得なくなる。
そもそも,なぜ主人公は異世界に飛ばされることとなったのか――。異世界の住人は「別の世界で死んだ人間を神が勇者として転生させた」と説明するがどうも信頼ができない。
この世界は一体何なのか,本当に異世界の住人は信頼できるのか,はたして主人公は元いた世界に帰還することができるのか――そしてその先にある結末は,見事に計算され尽くされて綺麗にまとめられている。
もっと評価されるべき小説である。
病院の待合室から始まって、謎の声に導かれ勇者として異世界へ……という、まあよくある異世界転移モノかー、と思いきや。読み進めるにつれ、何だろう? 何か変じゃない? 不自然じゃない? そんな感じでいつの間にか更新分まで読みきってしまいます。
伏線の散りばめ方が見事ですね。まだまだ謎多き物語ですが、これらがどう回収されていくのか楽しみです。また、キャラクター同士の掛け合いに思わずクスッと笑ってしまいます。なかなか容赦ない女性が多いです。
星の数程ある異世界転移、転生モノに若干飽き始めた方に特におススメしたい。このジャンルは、まだまだ多くの可能性を秘めている、そんなことを思わせてくれる作品です。
検査のために病院の待合室にいたリュウタ。
しかし、気づいた時には、異世界でアヤシさ爆発のシスターに「勇者様」と呼ばれていて――?
という冒頭から始まる物語。
ぱっと読むと、よくある異世界転生物? と思ってしまうところですが、「鬼討ち」で大どんでん返しな構成を誇るこの作者様が、そんな単純な物語を書くはずがありません!
リュウタの元いた世界も、なんだか不穏な雰囲気で、読み進めていくと「次はどうなるんだろう……?」とどきどきしてしまいます。
戦闘描写や心理描写にも定評がある作者様。
この世界に秘められた謎を、一緒に追っていきましょう!
病院の待合室。退屈なニュース番組をぼんやりと観ていた主人公。
帰宅していいですよ。そう声をかけられて腰を上げた瞬間、見知らぬ場所に立っていた。
これって異世界転生? 俺って勇者なの? それとも全部、夢ってか?
分からないことだらけなのに、魔物に襲われるわ、瞬間移動はするわ、あとお金がなくて恥かくわで踏んだり蹴ったりのご様子。親切にしてくれる仲間に出会えたものの、謎は深まるばかりで……
ユーモアセンスがありながら、どこか冷めた雰囲気の主人公。ごく一般的な世界から勇者伝説のある世界に移動したように見えるが、実はこの主人公の住む世界もなにやら複雑な事情がありそうなのだ。
物語の進展に伴って、主人公側の世界情報も分かってくるのだが、とにかく謎、謎、謎。そもそも何が起こっているのかすら、不確かだ。
この作品、作者からの挑戦状でもある。さて、読者は気づくことが出来るだろうか。
鼻の穴と耳の穴にお箸なんか突っ込んで踊っている作者から、箸を引っこ抜いて叩きつけてやろう。
「これって、○○だよね」
なんてコメントを書いて焦らせてやろうじゃないか。はっはっはっ。
って、そんなひねくれた読み方をしなくても十分面白い作品です。捻りのある冒険ファンタジーが読みたい人、おすすめですよ。
学校の健康診断にひっかかり、病院の待合室で待っていた主人公の荒井龍太。
受付で名前を呼ばれ、立ち上がり……。
そして。
異世界としか思えない場所で『勇者』と呼ばれて世界を救う旅に出ることに……。
現在024話『百三〇の死』を読了したところです。最新話です。まだ序盤です。
このお話を「今」お勧めしたいのは、まさにそう。序盤だから。
龍太が『居た』世界も、どうやら「訳あり」っぽい。龍太が『来た』世界も、どうやら「訳あり」っぽい。
目次を含めたすべてに伏線が仕込んであるように見えるし、物語の端々にも謎がちりばめられている状態です。
それを頭の中で「……むむ、これは」と思いながら読み進める楽しさ。
「えええー。今日はここでおしまい?」と、掲載を追うが故のもどかしさ。
それを是非、味わって頂きたいっ
この作者様。伏線回収の妙は、別作品の『鬼討』でも証明済み。
ご一読あれ!
ふと気が付いたら洞窟の中! 異世界転移によく有りがちな、バターンの始まりですよね。
ですが、そんな普通の小説が応援コメントを60以上も貰えるはずはないでしょう。
こんな面白くて長いペンネームを考える作者さんの考えるストーリーは、とっても変わっている常識を踏まない物語。
何の説明もなく、荷物だけ持たされて、洞窟を追い出されてしまう主人公!
普通なら、「この世界は何処だろう?」「俺は何で呼び出されたの?」そう思って、あっちをフラフラ、こっちをウロウロしますよね。
だけど、そんなつまらないシーンはバッサリとカット!
面白いところだけを集めて凝縮して、これでもかってくらいに読ませられます。それも、謎、謎、謎の連続で、謎が謎を呼ぶ冒険譚。
まずは小物を倒して、どうにか見付けた行き先で「もしかしたら、元の世界に帰れる」と思った矢先、あらたな謎が!
この主人公が来た世界、どうやら私たちの世界とは、ちと違うような……。
今から読めば、謎がギュギュギュッと詰まった前半を一気に読破できて、謎解きの始まる後半戦を毎日読める、ナイスタイミングです!
是非是非、御一読して、一緒に声を上げましょう。