この小説の魅力を伝えられたらあいつに告白します

男子高校生・宮藤修也は、異能バトル系や異世界ファンタジーなど、可愛いヒロインがいっぱいでてくるラノベが大好きなラノベオタ。一方、同じ文芸部の二階堂絵理奈はガチガチのミステリーマニア。

当然ながら、二人の好みが一致するわけがなく、文芸部の読書感想会は、いつも口喧嘩になるのだけれど、ラノベ好きな読者には二階堂の正論がグサグサと突き刺さる……。

ラノベ主人公が最初から最強チートだったり、パンツ見られたのに美少女が惚れてきたり、文章が薄っぺらかったり、確かにご意見ごもっともなんだけど、男の子はそういうラノベが大好きなんだよ!!

何故、宮藤がラノベに執着するのか。何故、二階堂がラノベを拒絶するのか。そこには悲しい事情があり、二人の過去にクローズアップしていく展開が切なく、泣けるのだ。

正反対のようでいて、小説への情熱を認め合っている二人の関係が甘酸っぱく。毎回の書評バトルも、いつか自分の本当の気持ちを告白するための真剣勝負だ。

宮藤のラノベ愛と二階堂のミステリー愛、先に相手に伝わるのは、果たしてどちらの愛か。

(新作紹介 カクヨム金のたまご/文=愛咲優詩)

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