ひとりの科学者の執念が、世界を変える

核兵器を用いた世界大戦によって、汚染されてしまった遠未来の地球。人類は「CODE」を身体に埋め込まれ、主要都市に築かれたドーム内で、AI「マザー」に管理されて暮らしていた。その管理の是非を巡り、反政府組織が抵抗を続けている。
政府系機関の研究員ディック・エマードは、実験体を連れて逃亡した。彼が娘エスターを連れて身を寄せたのは、かつて敵対していた反政府組織ES(Earth Saver)。優しい人間関係の中で成長したエスターは、やがて父親の目的と自らの出生に、疑問を抱き始めるーー


遠未来のAI管理社会を舞台にした、生物系SFです。ゲリラ的な活動あり、アクションあり、ロマンスに謎解きあり、の展開に、目が離せなくなります。何より無口な中年主人公ディックが、渋カッコイイ。結末に向かう緊張感とダイナミックな展開に、SFファンはきっと満足することでしょう。