虚空の惑星

作者 天崎 剣

20

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★★★ Excellent!!!

核兵器を用いた世界大戦によって、汚染されてしまった遠未来の地球。人類は「CODE」を身体に埋め込まれ、主要都市に築かれたドーム内で、AI「マザー」に管理されて暮らしていた。その管理の是非を巡り、反政府組織が抵抗を続けている。
政府系機関の研究員ディック・エマードは、実験体を連れて逃亡した。彼が娘エスターを連れて身を寄せたのは、かつて敵対していた反政府組織ES(Earth Saver)。優しい人間関係の中で成長したエスターは、やがて父親の目的と自らの出生に、疑問を抱き始めるーー


遠未来のAI管理社会を舞台にした、生物系SFです。ゲリラ的な活動あり、アクションあり、ロマンスに謎解きあり、の展開に、目が離せなくなります。何より無口な中年主人公ディックが、渋カッコイイ。結末に向かう緊張感とダイナミックな展開に、SFファンはきっと満足することでしょう。

★★★ Excellent!!!

ディック・エマードは元は政府機関勤めの科学者である。
社会コードを与えられぬ存在である彼は、ある秘密とともに反社会組織の地下へともぐる。おなじ実験体であったエスターを育む束の間の7年間。
だが成長した少女もまたおのれの出自に疑問を抱くようになり……
反社会思想の企業より融資をつのり、政府中枢へとむけて飛び立つディックたちであったが、それと同時にしがらみもまた動きだす……

すごく設定が練りこまれており、登場人物たちのしがらみが次から次へと事件を起こすノンストップSFです!
誰が正しいとも言えず、みんながおのれの正義や信条にもとづいて行動し、裏切られ、それでも道をつきすすんでゆく。手に汗をにぎってしまいます。
おのれの出自に苦しむディックの過去もどんどんと明るみに出てきて、その人間味に魅了されてしまいます。どっぷり世界観に浸りたい夏の夜長に超おススメです!!