灰色の髪の草原の民と触れ合った、金色の髪の軍人が残した日記

狼の遠吠えが聞こえてくる草原の中、廃墟にて。
学術調査のためにこの地を訪れた「私」たちは、
かつてここに滞在した調査官の日記を発見した。

草原の神々を敬い、掟に則って暮らす原住民と、
国土拡大を目して先遣隊を送った領土主義国家。
日記の主は、その相容れない狭間に立っていた。

ごく短く簡潔な文体で綴られた記録の向こう側に
豊かで色鮮やかで奥行きのある世界がうかがえる。
すごく好きです。

その他のおすすめレビュー

馳月基矢さんの他のおすすめレビュー353