TEA BREAK & HEART BREAK (読了・追記)

 傷心――ハート・ブレイク――な主人公なぎ、彼女を癒やすのは、紅茶――ティー・ブレイク――の香りか、未だ謎多きイケメンたちか?

 彼女の思惑外れた形で始まる新生活と決意は、新たな芽となって花咲くのか? 情緒溢れる舞台の中、対照的なライバル店との対比が物語を感じる対立構造の妙。

 主人公×イケメン vs イケメンライバル×ゴスロリ少女。

 懐中時計を手に、ウサギが目の前を走り抜けていくとする。例えるなら、今の私の気持ちは、こうである。

 —— 追記 ——

 最終話まで読了させてもらいました。

 童話がベースとなるストーリーは芯が通っており、またストレートなラブロマンスの形も安心して読める。
 この安心して読める、という部分は、特に恋愛というジャンルにとって地味に大切な部分だと感じており、作品のクオリティと作者のオリジナリティを読者に保証してくれるものだろう。

 エピソードに差し込まれるレシピも心憎い。
 文章の行間を、味で、匂いで、五感で楽しませてくれるものだ。

 これからこの作品を読まれる方には、そう、紅茶でなくとも良いだろう。何か飲み物やお茶うけなどを隣に、リラックスしながら体感してもらいたい。

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