⑦小説のきまりごと


 小説(もしくは文章)を作成する際、いくつか気をつけておかなければならない箇所があります。こちらでは普段小説を読んでいるだけでは気づきにくい、「きまりごと」をご紹介。



 「…」

 まず、この記号は三点リーダーと言いまして、余韻を残したり、沈黙を表現したりするのに使われます。こちらの用法は、「偶数個連続させる」というものです。

 つまり、


×:今日はあいにくの曇天か…。

○:今日はあいにくの曇天か……。


 となります。「こんなの誰が決めたんだ? 何の利益がある?」と問われても私は答えられないのですが……、とにかく、“こういうもの”と割り切って偶数個入力する癖をつけましょう。

 また、こちらは正しいとか、正しくないとか断定できないのですが、三点リーダーが句読点と混ざった場合――


△:見つけることはほぼ不可能だ。……

○:見つけることはほぼ不可能だ……。


 これが正しいことを示すきちんとした証拠や根拠はありませんが、しかし後者は“「。」が文の最後にくる”という法則を守っているので、より好ましいといえます。


なお、三点リーダーは、なか点(中黒)で代用出来ませんので、


△:今日はあいにくの曇天か...。


このような使用は好ましくありません。



 「疑問符、感嘆符」

 「?」と「!」は、その後に文字が来る場合、空白を開けなければいけません。


×:そんなのあり?イジワル。

○:そんなのあり? イジワル。


こちらも完全に正しいとは言えないものの、多くの出版社は後者を採用しています。確かに空白があるほうが見やすい気もしますが、個人差はあるでしょう。もしかしたら私が毒されているだけかもしれませんので。

 なお、疑問符、感嘆符のあとに三点リーダーが来る場合、空白は入れなくても良いという規則になっています。



 「括弧かっこと句読点」

 会話を描写する際にはほぼ不可欠であろう鍵括弧。また心中の思いや、もう一つの意味を表すのに用いられる小括弧。これらの用法をマスターしましょう!

 まずは鍵括弧です。


×:「おい、もう一度言ってみろ! 今度こそ追い出してやるからな。」

○:「おい、もう一度言ってみろ! 今度こそ追い出してやるからな」


 つまり、括弧閉じ自体が句点の効果を持ち合わせているために、前者は効果の重複が起きているのです。後者のほうがすっきりしますし、なにより書く、もしくは打つのが楽ですね。


 さあ、今度は小括弧についてです。例をご覧ください。


×:これらの行為を禁止事項とする(例外は認めない。)

×:これらの行為を禁止事項とする。(例外は認めない)

○:これらの行為を禁止事項とする(例外は認めない)。


 文章の最後に何かを付け足す時、まずは句読点を打たずに括弧を作成します。その後括弧内を記入し、括弧閉じの後に句読点を打つのです。理由としては、先ほどもお伝えしたように、句読点は文章の最後を表すものなのです。そしてその効果を持っている括弧は、鍵括弧しか存在しないからです。一番目やその次の誤例では、次に来る文章と括弧がつながってしまい、読みづらくなっています。


 このほかにも小説のきまりごとはたくさんあるとは思いますが、web上で投稿する分にはこの三点を押さえていれば、ナメられることはまずないでしょう。少なくともコンテストに応募して、作品の数行に目を通されただけで落選させられる、そんな悲劇はなくなります。

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