扉が閉まった後の心地良い余韻が止まらない☆

電車の扉が閉まる時の電子音と扉の機械音。そして、閉まりきった後の一瞬の静寂に、物語のシーンがガラリと変わるような感覚。どちらも文字で見る事は無いですが、そんなイメージがプンプンと湧き立ってきます。短編とはいえ、登場人物たちの間で繰り広げられる群像劇のようなシーンは、少し尺が長めのドラマを見ているような印象を受けました。

電車の中で起こった珍事をきっかけに、男女二人の恋模様が描かれてゆくのかと思いきや、読み進めていけば作者様の巧妙な仕掛けに心地良く踊らされてしまうという面白い中身。ラストの『想い』は感涙ものです――☆


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