そして、扉は閉まる ~沿線ライター小清水くんと些細な出来事シリーズ①~

作者 Han Lu

45

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★★★ Excellent!!!

 何を言ってもネタバレになりそうで、言いたくても言えないことばかりですが。
 伏線の張り方、石の回収、恋心の淡い描写、ラストの締め方。
 全てにおいて、「うまい!」の一言に尽きる一作です。
 扉が閉まる最後の一瞬まで揺れと、閉まった瞬間の潔いまでの引き際。
 想い込められた17秒から込み上げてくる読後感は、切ないのに切ないだけじゃない、なんとも言えない不思議な爽快さがあります。
 本当に見事な、光彩を放つ一品にめぐり合い、読ませてもらえた僥倖に感謝します。

★★★ Excellent!!!

電車の扉が閉まる時の電子音と扉の機械音。そして、閉まりきった後の一瞬の静寂に、物語のシーンがガラリと変わるような感覚。どちらも文字で見る事は無いですが、そんなイメージがプンプンと湧き立ってきます。短編とはいえ、登場人物たちの間で繰り広げられる群像劇のようなシーンは、少し尺が長めのドラマを見ているような印象を受けました。

電車の中で起こった珍事をきっかけに、男女二人の恋模様が描かれてゆくのかと思いきや、読み進めていけば作者様の巧妙な仕掛けに心地良く踊らされてしまうという面白い中身。ラストの『想い』は感涙ものです――☆


★★★ Excellent!!!

この作品を、単純に恋愛小説と呼んでいいものかどうかは、非常に難しいところですが、敢えてそう呼びたいと思います。

5話7,000字という短編小説では(掌編小説かも)、とかくストーリーに主眼が置かれがちで、登場人物というキャラクタは、物語を成立させるための置物になりがちなこともあります。

でも、この物語に出てくる登場人物は、どれも悩み戸惑い喜び悲しみます。それが短い文章の中にぎゅーっと凝縮されており、読み終わった時に、いかに自分が感情移入してしまっているのかを思い知ります。

もちろん、ストーリーも練に練り込まれていますので、特に後半の「そういうこと!?」という展開には驚かされることだと思います。そして、それでいて、とても爽快。

特にラストは秀逸というにふさわしい。この気持をなんと言えば良いのか分からない、でも、悪い気持ちじゃない。というような不思議な読後感です。

★★★ Excellent!!!

これはすごいですよ。

構成とか、伏線とかに興味がある書き手の方はぜひ読んで欲しい。

日常から始まる恋の物語でもありますが、ミステリー仕立ての雰囲気があり、次から次へと読ませます。

しかしこの物語が本当にすごいのは『構成』までもが仕掛けになっているところ。
なんのことやらでしょうが、読めばわかります。
こういう驚きの展開方法もあるんだな、としみじみ思う事でしょう。

短篇なのであっというまに読めてしまうのが、むしろ残念なくらい。
最後の最後まできっちり面白い物語でした!

★★★ Excellent!!!

短い物語の中に仕込まれたちょっとした仕掛けが楽しい。
しかしその仕掛けはあまりにも自然で「おや?」と思うのもつかの間、自然と先を読まされてしまう。

行動に移す「恋」もあれば、そうでない「恋」もあるだろう。
魔法の杖は17秒の間に何を起こすのか?
それは最後の一節まで読んでのお楽しみとだけ書いておこう。