第8話 遊戯の説明2
なにを質問すればいいのだろう
なにがわからないのだろう
『安心したまえ、1日10人だけ殺せばいい。たったそれだけだ。』
たった?たったそれだけ?
声の主はそういったか?
人をたった10人殺せばいいと
そんな大罪を犯せと?
まだ高校生の俺らに
1日10人
つまるところ単純計算して、10日で100人を殺せというのか
そんなの…
「できない!人を殺すことなんてできない…。無理だ」
声の主はわかりやすくため息をつく
『自分たちがそこらへんに転がってる物になろうとも?』
あざ笑うかのように
『大切な人まで巻き込んでおいて逃げるのか?』
俺は好きでたくとを巻き込んだんじゃない
そう言いたかった
なのに
なのに…!なにも言葉がでてこない
私は理解していた
殺るしかないと
声の主が言っていたように
呼吸をするように
眠るように
人を殺すしかない
『ほかに質問はあるか?』
声の主は問う
「ねぇねぇ、ご飯とかは?」
間の抜けた
だけど落ち着くよく通る声の主はたくとだ
『その説明はしていなかったな。そちらの隣の部屋に移動してもらえればいい
そこでなら、窓はないが飯、睡眠。最低限のことはできるであろう。部屋は一つしかないが、男同士ならなにも問題はないだろう』
そう、問題はない
男同士なら
「んー…、わかったけど時間とかは?制限時間とかないの?」
たくとがさらに続けて問う
声の主はたくとに感心したのかわからないが
ほうと息を吐いた
『確かにそこも盲点だったな。すまない、そこまで頭が回るとは思わなかった。君のことを過小評価しすぎたようだった。時計を用意しておこう。もちろん、日付、時間がわかるように』
『もう大体のことは説明できたと思うのだが、ほかにわからない点はあるか?』
親切そうに声の主は尋ねる
俺もたくとも特になかった
だが、俺は最後に疑問に思ったことがあった
「なぜ、そんなことまでして俺たちに人を殺させたいんだ?」
純粋な疑問だった
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