第5話 大切な人の存在

「おい!お前たくとに何する気だよ!?」

俺は激昂していう

こいつだけは、声の主だけは許さない

許されるべきではないといわんばかりに

『いやいや、そう怒るものではないよ。まだ危害は加えていない

それに、親切な私は君のもとに彼を届けてあげているんだから』


俺の後ろのほうからギィという音がした

そこが扉になっていたのか


「よ…っと。重いなこれ。ん?おぉ、鋭理か」

そいつは、たくとはニコニコと手を振る


「なにしてんだよ!たくと!なんでお前がここに!?」


「いやぁ、お前が捕まったって聞いたからさ」


それなら普通警察に連絡するとかあるだろう…


『感動の再会はもういいかい?』


スクリーンが戻っていく


くそっ…、声の主の目的はなんだ?

俺をここに連れてきた理由もなにもかもわからない

そんな風に俺が考えを逡巡させている間にもたくとは


「なにこれ?本物の血?グロー」


生きてる人間は声の主をのぞけば俺ら二人だけ

そして転がってるのは冠と剣…


「これ剣って本物?すげぇー」


「だぁぁぁ!うるせーな!俺今考えてるだろ!?シリアス展開だろ!?」


本当気の抜けたやつで困る


そこで声の主が苛立たしげに俺たちに声をかける


『私のこと忘れてないかい?殺すよ?』


あ、やばい

怒ってらっしゃる?


こほん

声の主は仕切りなおすように咳払いをひとつ

『君たちにはゲームをしてもらう』

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