第7話 遊戯の説明
『そこら中に死体が転がってるのは見えるな?
そして、その近くに冠が転がっていると思うが。
そいつらが王様〈キング〉だ
そして、鎧を着ているやつらは騎士〈ナイト〉だ。これだけ言えば大体は察しがつくだろう?王様〈キング〉を騎士〈ナイト〉が護るのだ』
「…なるほど」
そんなことをさせるなんて、ひどく滑稽で偽りだ
騎士が王様を護る?
どの時代だよ
時代錯誤もはなはだしい
『あぁ、それからもうひとつ… 100人の人間を殺してもらう』
「100…人?」
そんなに殺さなければ俺らはここから出られない?
人殺しどころか殺人鬼ー いや、それよりもひどい
俺は思考をひたすら巡らす
嘘かもしれない、ハッタリかもしれない
かもしれない、かもしれない、かもしれない…
けれど、私はどこかで冷静だった
そんなことはありえないと
ピクリとも動かない人間の死体
血にまみれた部屋
それが雄弁に語っていた
これは嘘でも悪い夢でもなんでもない
現実だと
『そんな風に睨まないでくれ、100人倒せばいいじゃないか
…いや、言葉がちがうか
殺せばいい。100人殺せ。さもなくば、お前らが死ぬ
まるで殺人犯のように、殺人鬼のように、愉快犯のように。
罪の意識なんていらない。我々が呼吸をするように。眠るように。
それが普通だと思え。日常の一部だと思えばいい。』
声の主は、天井から聞こえてくる声は楽しそうだった。
まるで、子供が新しいおもちゃを手に入れたかのように
はしゃいでいるのが、目の前にいなくてもわかった
「鋭理…、大丈夫?」
たくとが心配そうに俺の顔を覗き込みながら言う
「あ、あぁ…、大丈夫だ」
きっと俺の顔は今ひどく疲れた顔をしているのだろう
これから100人もの人間を殺さなければならない
そうしなければ、俺らが死ぬから
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