第10話 鋭理の真実

そう、なにを隠そう鋭理こと私は女だったのだ


声の主は私のことに気付いていたのかわからないが…

確かにこう言っていた


『男同士なら部屋が1つでも問題ないよな』


わかっていたのだろうか?

たくとや親以外は誰も知らないというのに


私の容姿はハッキリ言って男だ

髪は短髪

そしてつり目

さらには、黒いマスクをしているときた


どう見ても男である


胸は普段から潰している


なぜ、私が男としてふるまっているのか?

それは、とても簡単な理由だ


私自身が私を嫌いだから


たったそれだけの理由で

私は私の中に

もう1つの人格を作り上げた


俺という

人格を


そうして今まで生きてきた


私が私を嫌いなら

俺が俺を好きになるしかないだろう?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る