運命のお相手は神様かもしれない

童話や昔話のような始まり方をする短編連作。

人間と神さまとの恋愛と言えば、ギリシャ神話などがあるが、ああいったドロドロ感はゼロ。ほんわかしていて、それでいて切なく美しい恋物語だ。

数多いる神々と恋をするのは、特別な人間ではなく、ごく一般的な人々。ただ彼らに共通するのは、異質な存在も自然と受け入れることが出来る優しさを持っていることだ。

この物語でキーとなるのは、真名。神さまの本当の名前だ。
これを知っているか、知らないかで大きく運命が変わってしまう。とても重要なことなのだ。

生と死の混ざり合う場所に神の世界があるならば、それは私たちの身近だが普段は見過ごしがちな真実の中に神さまはいるのだろう。

とはいえ、そんな宗教チックなことは抜きにしても、単純に恋愛ものとして面白い。特に「どっかにいい相手はおらんかねぇ」などとため息をついている、あなた。案外、神さまに目を付けられているかもしれませんよ。


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