子供と娼婦、寂れた余情

無垢と性欲の交差点。

いたいけな祈りが、薄汚れた過去を洗い、静かな懐古への憧憬を湧き起こす。

香澄と小春の交流の場面は純朴さが際立っていた。媚びのための化粧を子供に見せることへ、忸怩を覚える香澄の心理が好い。