ねこですよろしくおねがいします
「ねぇ...、私、誰かに後を付けられてる気がするんですけど!」
「付けられてるって...何時から?って何に?」
「この前の事なんだけど....」
ショウジョウトキは真剣な面持ちで話を始めた。
「この前、空を飛んでいたら急に雨が降り始めてさ。慌てて近くに洞窟を見つけたからそこで雨が止むまでとどまることにしたの」
「それで?」
「水が湧き出る音がしてたんだ。気になって奥の方に進んだのよ。水溜まりみたいなのが見えて...それで....
“ヤツ”がいたの」
「ヤツ?」
「『ねこ』がいたの」
「『ねこ』?それって、普通の猫じゃないの?」
「普通の猫じゃない!アレは『ねこ』なんだよ!」
“猫”と『ねこ』
その違いがトキにはわからなかった。
「ちょー怖いんですけど...」
ただ、焦燥とし、体を震わせているショウジョウトキが印象的であった。
その話を聞いた翌日
トキは自分の住処からカフェに向かって飛行していた。
住処からカフェまではかなり時間がかかる。
途中木の上で休むこともあった。
「...ん」
その最中、おかしな違和感をトキは感じた。
(誰かに見られてる...)
あきらかに木の上。
だが、視線は自分の真後ろにある。
心臓の鼓動が早まる。
恐る恐る後ろを振り向いてしまった。
「・・・・っ」
トキは急いでその場所から立ち去る。
無我夢中に、前を向いて何かから逃げるように。
前方に建物が見える
ジャパリカフェだ。
「はぁ...はぁ...」
息を切らして入店した。
「ど、どうしたのぉ?トキちゃん?」
アルパカが心配して声を掛けた。
トキは息を切らしながら、震えた声でこう、アルパカに言った。
「『ねこ』がいたの...」
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〈元ネタ〉
【ねこですよろしくおねがいします】
アイテム番号:SCP-040-JP
オブジェクトクラス:Safe
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