祖父、父、そして主人公の三代の家族の思いを綴った物語です。祖父の死をきっかけに主人公は祖父との想い出、祖父の暗室へと想いを馳せます。祖父の想い父の想い主人公の想いそれらを心情深く「焼きつけた」物語。フィルムを焼き付ける暗室での作業デジカメからデータを転送してプリントアウトするそれとは味わいの違う写真に仕上がるでしょう。たとえ同じ被写体を撮ったとしても。本作も同じです。短いけれども丁寧に綴られた物語。味わい深い家族の物語です。
現代ドラマ、というジャンルがありますでしょう。まさに現代ドラマ、という作品でした。祖父と父、そして自分。三者三様の気持ちが絡み合い、溶け合い、そしてほぐれていく。祖父のお葬式で、色んな気持ちになって、いろいろな発見をして。細かい心理描写が最高ですよね。ああ、なんと素敵な作品。
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