栄枯盛衰を思わせる大作
- ★★★ Excellent!!!
異世界転生モノに頻出する作風として、「地の文の少なさ」があげられると思う。しかしこの作品といえばどうだろう。
経済について、金の巡りや国際情勢について·····さまざまな「難しいこと」の説明が欠かさず行われ、読者に分からない話が勝手に進んでいくということがない。
そのわかり易さ、丁寧さがこの作品の良さの多くを占めていると思った。
だが良さはそれだけにとどまらず、キャラクター 一人一人の感情の鮮やかさ、背景情報の綿密さ、言葉の扱い方などすべてが高レベルな作品だった。
最終話には賛否両論あるだろうが、個人的には作品を締めくくるに相応しいものだと感じた。
時間のあるときに読み返して、この場面ではこういうことが起きていたのか、という楽しみ方もしてみたい作品である。