ドリンクバーだけで8時間粘る悪役令嬢

作者 春海水亭

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★★★ Excellent!!!

ワイ…わたくしは悪役令嬢ですわ。誰が何と言おうと悪役令嬢なのですわ…。
舞台は現実っぽい異世界ですわ。誰が何と言おうと実在の人物や団体とは関係はありませんわ。多分。

ファミレスにドリンクバーだけで居座り、自転車修理のため炎天下に長距離を練り歩き、思い付きで行動しては結構な割合で微妙な思いをするハメになる、そんなありふれた悪役令嬢の日常の一幕の数々を描いた作品。

各話ごとに舞台となる場や相対する事になるメニューが(行った事があるかは別として)いずれも馴染み深く感じるものとなっており、読んでいる最中には不思議な居心地の良さを、読後には奇妙な満足感を感じさせてくれる。

大掃除の時に懐かしい漫画を発掘した時のように、時々無性に読み返したくなります。

★★★ Excellent!!!

ジョルジュ・デ・キリコ
パブロ・ピカソ
サルバドール・ダリ
ルネ・マグリット

そして春海水亭

1924年にブルトンが『シュルレアリスム宣言』を発表したことで本格的に始まったとされる運動は、「口頭、記述、その他のあらゆる方法によって、思考の真の動きを表現しようとする純粋な心的オートマティスム。理性による監視をすべて排除し、美的・道徳的なすべての先入見から離れた、思考の書き取り」と定義され、ジークムント・フロイトの精神分析とカール・マルクスの革命思想を思想的基盤とし、無意識の探求・表出による人間の全体性の回復を目指した。

ってWikipediaに書いてあった。

何かこの春海水帝作品を読んでるとキリコの絵が頭に浮かんできたから、適当にシュールレアリスムから引っ張ってきてみた。

★★★ Excellent!!!

邪悪な悪役令嬢ミホスお嬢様は、他害的な悪役ではない。その身に刻み込まれた良識や気位を逆手の刃で切り離す。その姿勢を悪と呼ぶ生粋令嬢である。

彼女は夜気に紛れ酒精を浴びて悪行三昧を愉しむナイトウォーカーである。そしてそれは、喪われつつある都市の思い出であったり、幼き頃の記憶であったり、セピア色の追想なのである。

高いコスト意識と満足感のせめぎ合い。常に試行錯誤を繰り返す彼女を大好きになってしまった。