世界の終わりと繰り返す過去、そして希望を繋げる未来の物語

幼い頃に自分の前からいなくなった親に会いたい──

その思いがすべての出来事のきっかけとなり、遥か彼方の未来に幸せな変化をもたらしていくSF(すこしふしぎ)な物語です。

クリスマスイブに、気になる女の子とデートをしていた遥は、地震によって引き起こされたとある事故に巻き込まれます。あわや大惨事となる寸前に遥を助けたのは、幼馴染のカナタ。
けれども、カナタが遥を助けた方法とは、時空移動装置を使って過去に飛ぶという超荒業でした。

飛ばされた先は1999年12月21日。二人は後に遥の両親となる高校生のリムと暁に出会いますが、リムは何故か遥にべったりと迫ってくるという、往年の名作SF映画のようなドタバタ展開に!
ただ、より深刻だったのは、遥かとカナタが未来に戻ろうとしても、必ず1999年の12月21日に戻ってしまうということ。
クリスマスイブの夜までの四日間を延々と繰り返すタイムリープに、世界の終わりの行き止まりへと閉じ込められたかのような焦燥感を抱く二人の心境に徐々に変化が現れてきます。

自分なんていついなくなってもいい。
そんな諦念を心のどこかに持ち続け、優しいけれど無気力だった遥ですが、繰り返す四日間で出会った人達やカナタとのやりとりの中で、未来へと歩んでいきたいと思う気持ちが生まれてきます。

その思いによって、過去の小さな選択から枝分かれしていく無数の未来の中に新しい未来が生まれるはず。
けれども行き止まりでもがく遥は、大好きな母親と過去の世界でたゆたうのも悪くないと思い始めて……

遥を過去に留めようとするリムと、新しい未来へ導こうとするカナタ。
揺れる遥の思いは、繰り返される世界の中でどちらへ傾いていくのか。

親の愛、子の愛、異性への愛、郷土愛。
様々な形の愛に刺激を受けて変わっていく遥の成長とハルカナコンビの未来を、あなたも「観測者」の視点で見届けてあげてください(^^)


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