正しきことは清潔であること

愛というものは、愛されることによりもむしろ愛することに存する。
――万学の祖、アリストテレスの言葉だ。
この物語を読んでボクはこの言葉を思い出した。
この物語には愛が溢れている。
しかし、それは全てが終焉を迎えた後で報われる愛だ。
奪われ、虐げられた末に發現した彼女の愛は、奪われ虐げられたがゆえに地上に燦然と輝き、悠久の平穏を得たのである。
これは、茶色く汚れた濁流の中で生まれた、白く清潔な愛の賛歌だ。

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