『七年前の自分』を攻略し、新規ルートを拓け!

オークショニアというちょっと特殊なお仕事に就く主人公が、七年前の過去に戻されるところからストーリーが始まります。

何度も繰り返してしまう日々から脱却すべく、主人公の大沼はどうしたらここから抜け出せるのか、何が必要なのか、また何が足りなかったのかを探りながら過去の自分と向き合い、その原因が『三人の後輩との関係にあるのでは?』と考え、彼らとの交流を図り、ヒントを見出していくのですが――この不条理な状況に対して苦悩しつつも、徐々に後輩の気持ちを第一に考えるようになっていく、大沼の優しい変化に心が温まります。

またオークショニアについても緻密ながらにとてもわかりやすく描写されており、全くの素人の私でも楽しく興味深く読めてしまいました。

まだ第一部のみの完結ですが、爽やかな読後感を味わうと共に、更に続きが知りたくて読みたくて堪らなくなっています。

お仕事の面白さだけでなく、人との繋がりの大切さ、そしてゆっくり育まれていく絆の温かさに触れ、優しい気持ちになれる、素敵な作品です。

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