これはきっと、今も続いている物語。彼女の千羽鶴も、彼のピアノも。

「終わってしまった……」というのが、最終話を読んだ私の率直な感想でした。
それは何より、私がもっとこの作品を読み続けたいと思っているという証であると共に、面白さの証だと思います!

正直に言えば、第一章の「みずき」と「秋瑛」の間に起こった「とある出来事」が衝撃的で、この先を読み続けていいものかと迷ってしまいましたが、それでも読み進めることができたのは、第二章で「みずき」の思いや事情を知り、続く第三章で「とある出来事」に向き合うことができたからだろうと思います!

登場人物の心情にとことん寄り添い、その日常を描くというスタイルは、決して目を惹くような派手さはありませんが、「だからこそのリアリティ」があると思いますし、それこそが本作の魅力だろうと思います!

また、その優しい語り口に惹かれている読者も少なくないと思いますが、私はあえて、その中で時折顔を見せる厳しさが良いアクセントに……と言ってしまうと野暮ですが、ただ優しいだけでは終わらない、切なさ、儚さも、見逃せない点だと思います!



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