ディストピアへの第一歩

この小説内では複数の「混乱」を世間に招く事件が描かれています。
語り部である記者は、身近なIT知識であっても丁寧に解説しており、「大衆」が意識する範囲で、何がどうなったかを分かりやすく記します。

だからこそ、今このレビューを書いている私を含め、生活へ浸透し続けるITというものへの不安感が、読者に突き刺さるのだと思います。
逮捕された犯人たちも、一般人とは認知のズレがあるにせよ、あからさまな悪役というわけではありません。

真綿で首を絞められるようにディストピアが始まっていくような、そんな展開を自然と思い描いてしまいました。

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