インターネットを介したプログラムによってほぼ制御されていると言っても過言ではない現代。悪意だけでなく無意識によって引き起こされる犯罪例を上げた本作は非常に面白いです。
大元にあたる人間は、本当に些細な行動で大きな事件の引き金になっていきます。そしてその被害者の怒りの向けど頃は果たしてどこへ向けるべきなのか、事件の全体像を見ると分からなくなっていきます。
その被害者でさえ法に触れることを無意識にやらされているかもしれません。
引き金となった犯人でさえも、ネット大きな流れによって産み出された被害者なのかもしれない。
この作品を読んだ私は「物事の真理」を知ること重要性を改めて感じました。知らなかったでは済まされないことがこの世の中には沢山あるのです。
例え真理に到達しなくても、「真理を知ろうとする意思」を持つことが現代人に求められているのかもしれません。
SFが苦手だろうが、気になったら読むべき作品です。例えフィクションでも、この作品は多くの方が現実で意識するべき内容が書かれております。
これは、近未来のIT犯罪を舞台にした小説。一話約三千文字で、手軽に読めると思う。ほぼ一話完結の事件記録で、読んだ時に作品のアイデアに思わず嫉妬したほど。最終話「コントローラー」まで読んでようやく、それまでの四つのエピソードが繋がる感じ。短編連作ではあるけれど限りなく短編集に近い、とでもいうのかな。
今後、人工知能が今より発達し、IT技術も発達していくはず。そういう時代になった時、こういった犯罪は実際に起こりうるものだなと、まず感心してしまった。作者様も「あらすじ」に書かれていらっしゃるけれど、決して真似しないでくださいね
近年、ゴリゴリと進む情報化に合わせ、サイバー犯罪対策課などと一昔前のSFチックなやたらとかっこいい名の警察の部署が活躍を見せている。
裏を返せば、ネットワーク、プログラムを活用ないし中核に置いた犯罪が増えているということ。
この作品はそんな犯罪をドキュメンタリー番組風(個人の印象です)にまとめたもの。興味のある方にはこれほど食いつきたくなる内容はないだろう。
面白いのが、犯人たちは皆「俺は作っただけだ」というような主張をしていること。昔の刀鍛冶も同じようなことを言っていたとかいないとか。
ただ、一種の毒としての使い方しかできない、という点で全く別であるのだが。
個人的にヤバかったです(くっそ自作のネタに脚色しまくって活用したい)